こんなことがあった。

石巻日日新聞、

石巻日日新聞の活動を称えて、現代フランスきっての知日派であるクロード・ルブラン氏のイニシアティヴで、国立ギメ美術館で、同新聞の展示会が開催されます。ぜひ足を運んでみてください。 プレスリリース 2012 年 2 月 22 日 ・ ・壁新聞展 併示:エリック…

30年前の5月10日。

1981年5月10日は、フランス第五共和制(1958年〜)で初めて左派の大統領が誕生した日として記憶されています。第五共和制は、ドゴール大統領による政治体制でしたから、その中で四半世紀をかけて政権交代を実現するのは容易ではなかったということになります…

深化した日仏関係に向けて。

「ウエスト・フランス紙」(2011年4月7日付)深化した日仏関係に向けてセバスチアン・ルシュバリエ フランス社会科学高等研究院准教授・日仏財団ファウンダー吉田 徹 北海道大学准教授・パリ政治学院客員研究員 東日本大震災で日本から真っ先に避難したのは…

頂きもの。

ご本を頂戴しました。有難うございます。現代日本政治研究と丸山眞男―制度化する政治学の未来のために(2010/03/12)渡部 純商品詳細を見る思想地図〈vol.5〉特集・社会の批評(NHKブックス別巻)(2010/03/25)東 浩紀北田 暁大商品詳細を見る社会保障――セキュリ…

フランス語で日本政治評論。

私は本来フランス政治とヨーロッパ政治を看板に掲げているわけで、原則的には「仏/英語で書かれたもの」を読み、これを「日本語にする」(俗にいうところの「ヨコのものをタテにする」)という作業がメインなのですが、はからずとも、「日本政治についてフ…

TS先生の思い出。

先生と初めて会ったのは何時頃だろうか、私が大学院生の修士2年のときだったように記憶している。ゼミにおずおずと行くと、奥の方にしかめっつらをして、言葉少なげに学生に指示をする先生がいた。大学院で何を学んだのですか、と請われれば「TS先生のスタイ…

コンビニ弁当「お持ち帰り」。

「コンビニ排除命令 大量廃棄も考え直そう」 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090623ddm005070162000c.html 大学3年生の頃だったか、1年ほどコンビニでアルバイトをしていた。「おでん」のスープの味加減に精力をつぎ込み、有線放送のチ…

歴史と文書。

公文書法案が成立する見通しとのこと。 http://www.47news.jp/CN/200905/CN2009052101000372.html 公文書保全のための法律は福田首相の肝いりで、ずっと続けられてきた。ヨーロッパ政治史を講じる身ではあっても、歴史家としては中途半端な立場で、日本外交…

「偉大なる遊び」、

『月刊現代』7月号で、「インテリジェンス・サミット:『グレート・ゲームの覇者は誰か』」と題された座談会に出ています。他の話し手は、手嶋龍一、富坂聰、佐藤優、鈴木琢磨の各氏です。 それぞれアメリカ、中国、ロシア、北朝鮮、そして私が欧州の事情通…

論文―頂きもの。

いつの間にか頂いた論文が溜まってしまっていました。 有難うございます。高橋進先生から「神奈川大学評論」に掲載された ●「ヨーロッパにおけるナショナル・アイデンティティの現在」 を頂きました。この雑誌は、昔から硬派でとても面白い特集を組みます。…

Au Pays des Milles Collines.

ルワンダ共和国へ行ってきました。 美しい国、美しいゆえに哀しく、また哀しいゆえに美しい国でした。 2000人が文字通り虐殺され死体の山に隠れて助かった人間が護るメモリアルで、何を感じろというのだろうか。 言葉を紡ぎ出せぬゆえ、写真にて。キブ湖の虹…

闘う65歳。

大学で、コリン・クラウチとロベール・ボワイエという、政治学と経済学の両巨頭を迎えてのワークショップがあった。クラウチは前々から著作から多くを学び、ボワイエはレギュラシオン学派に弟子入りしようと思っていた10年前にパリで会ったこともあり、久々…

師逝く。

凡そ「比較政治学」のディシプリンに身を置いたことがある者なら、その誤訳だらけの著作にお世話にならなかったことはないだろう。翻訳はアーモンドからハンティントン、アイゼンシュタットにA.ギャンブルにまで及んだ。比較政治学の黄金時代に生まれた目…

嬉しきことかな。

今年度実現して嬉しかったのは、夏ごろから進めてきた学生のクロアチアの難民キャンプへの派遣プログラムが実現して、見事2人の院生が行って、無事に帰ってきたことだ。自由に使えるわずかなお金が大学に入って、どうせなら何か「有意義」なものに使いたいな…

左のガルシア・マルケス。

最近、電車に乗っていると勉強になることが多い。 考えてみれば、生活スタイルの個人化と親密圏の肥大化で、自分と普段関係しない複数のミリューの人間が一堂に介す機会は公共交通機関しかない(そこに現れない人々も当然いるのだが)。この間は、樋口恵子に…

Nokiaユーザーの自負。

新世代と旧世代。 705NKで撮った積丹の夕日(Carl Zeissレンズ!)。おそらく腐蝕が進んだのだろう、ちょっと前に水没させた702NKの調子が我慢できないところまで悪化したので、705NKに代変わりさよう、と思いソフトバンク販売店へ(取り出した瞬間に「その…

最終日、パリで。

エジンバラの素晴らしいバルモラル・ホテル スコットランド議会 アジャックシオ、ジェノヴァ街 コルシカ議会 パリ お気に入りのパレロワイヤルの公園のマロニエの木漏れ日を浴びながらコーヒーをすする。隣には、50半ばとおぼしき女性と30過ぎのスキンヘッド…

飛ばない豚は…

調査で釧路−中標津−阿寒湖へ。 ここで出会った「COMO豚」というブランド豚。 http://www.co-mo.jp/ヨークシャーにバークシャー種を掛け合わせて、大豆とジャガイモと乳糖で大事に育てられた豚さん。その脂身は天下一品。羽の生えた豚さん のごとく昇天しそう…

箱館とフランス人のラスト・サムライ。

ペリーの黒船に驚いた徳川幕府はかの蝦夷地に「箱館奉行」を設置したのが安政1年。「ハコダテ」が当時また「箱館」だった時代。 奉行は貿易の要の地として、艦砲の届かない距離に城塞の一種である「五稜郭」を作り、これが箱館統治の中心地となったのが元治…

おめでとう、頑張れ。

日本シリーズ優勝。北海道は中央に対して、愛憎半ばの関係にある。中央から見放されることを恐れ、かつ中央に依存することの苛立ちがある。プレ日ハム時代は、巨人ファンの衛星地だった。 日本一になったことが、道州制のスタートを迎えて、良い意味での自信…

首相の子とは。

といっても、小泉孝太郎の話ではなく、かの地のド・ヴィルパン首相の長女、マリー・ド=ヴィルパンの話。この秋に発売されるジバンシーの香水「Ange et Demon(天使と悪魔)」のイメージキャラクターに採用されて話題を呼んでいる。しかしそんなのあり? そ…

「共通教科書」を生んだもの。

7月10日、仏独「共通教科書」のドイツ語版がお披露目された。もっとも「共通教科書」というのは日本的な表現で、仏語では"manuel d’histoire Franco-Allemand "、独語では"deutsch-französisches Geschichtsbuch"で「共通」という言葉はどこにもない。教育制…

トゥラムの泪。

フランスはよく頑張った。代表選手の平均年齢30歳。 ジダンはいうまでもなく、アンリ、リヴェラ、マケレレ、バルテズと いった主要メンバーはみな98年の優勝を経験した「ベテラン」でもあるが「ロートル」でもある。現地時間月曜の午後、Les Bleues はシャン…

ナウカ。

ナウカ書店が倒産したという。ナウカ=科学といえば、ロシア語書籍の取次店としてその筋では知らない人間はいないし、分厚くも見やすい目録と人の良い営業さんでお馴染みだった。共産主義イデオロギーの崩壊とアマゾン進出での二重苦だったのだろうか。研究…

先生の先生がやってきた。

ボクの先生の先生が街にやってきた。 道中、学生に「ボクの先生の先生の講演会に行くんだよ」というと、センセイの先生はそもそも誰なんですか」と訊かれた。そっか、この人にとっては「センセイの先生の先生」になってしまうのか。先生の先生の話は相変わら…

誰に電話するか。

貨幣は万能で不思議だ。「好きだよ、っていう言葉は何百回でもいってほしい」 VodafoneのLOVE定額という商品。「電話で救える笑顔がある」 NPO法人「世界の子供にワクチンを」が電話での募金を 呼びかける。前者は月々315円、後者は一回300円。15円差は消費…

20min.

余り人に自慢できそうもない至上の喜びが幾つかあるが、 中でも唯一まともなのがある。 木漏れ陽の中、大学のキャンパスで小脇に本を抱えて てくてく歩くこと。この瞬間が訪れるタイミングが、実は難しい。本は多くても4冊以内、少なくとも2冊以上でないと…