フランス語で日本政治評論。

私は本来フランス政治とヨーロッパ政治を看板に掲げているわけで、原則的には「仏/英語で書かれたもの」を読み、これを「日本語にする」(俗にいうところの「ヨコのものをタテにする」)という作業がメインなのですが、はからずとも、「日本政治についてフランス語で書く」という初体験をすることになりました。内容は(相変わらずというべきか)、日本の政権交代民主党論です。

フランスの社会科学高等研究院(EHESS)に新たに設置された日仏財団(Fondation France-Japon de l’EHESS )でのワンコーナーに顔を出しています。http://ffj.ehess.fr/index.html
今は元大蔵大臣で日本経済学者のクリスチャン・ソテール氏のコラムが掲載されていますが、近日中にアップされるとのこと。

この財団は、EHESSで教鞭をとり、新世代を代表する日本経済研究者であるルシュヴァリエ(Sebastien Lechevalier)氏の尽力で創設されました。近年、欧州での日本政治経済への関心もめっきり低下する中で特筆すべき貢献かもしれません。日本研究の低調は、もちろん、日本の相対的な地位低下に伴うものですが、そういう時だからこそ、こうしたイニシアティヴを差ポートするとともに、欧州のジャパノロジストとの付き合いも大切にしなければならないでしょう。

ルシュバリエ氏とは、レギュラシオン学派の新旗手アマーブル氏のセミナーで同席して、変な縁もあってパリで再会して以来ですが、日本研究のグレードアップと国際化を、という氏の主張には強く共感します。

いきなりフランス語で書き始めてみたはいいものの、(当然というべきか)担当者から真っ赤に直されて返ってきました。学術論文もそうではあるのですが、この種のエッセー調のものは、微妙なニュアンスが必要で、そのニュアンスが「変なフランス語」に転換されてしまっていることが多いようです。まだまだ修行が足りませんね。