57歳のビリー。

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無事、ビリー・ジョエルのコンサートに行くことができた。

御年57歳、ボクのイメージの中にあった豊かな黒髪は後退して、
お腹もお尻でっぷりだったけれど、あの憂いを称えて凝視している
眼は健在だった。そして日ハムのキャップをかぶって、ステージを右に左に、アリーナ席にまで下りて来る彼は、一級のエンターテイナーだった。

それでも、改めて感じたのは「芸の広さ」と「原風景としてのアメリカ」だった。前者は彼がもともとクラシックピアノ出身だったこと、後者は世代にあるのではないかと思う。

彼の代表作のひとつWe didnt start the fireは、89年の冷戦崩壊の時に彼が子供に「大人たちはこんな凄い歴史を経験したことがないなんてかわいそうだね」といわれて書いた曲だそうだ。そもそもビリー・ジョエルは82年に「ナイロン・カーテン」というアルバムを出していたり、冷戦崩壊直前にロシアでコンサートツアーをしていたり、父親が東欧に移住していたりと時代に強く影響を受けたアーティストだ。確かに世代的なものもあるだろう。しかし、それと彼が「詩=言葉」をとても大切にしているアーティストであることとは、深く関係しているように思える。