「過ぎ去れば」、
拙著『ミッテラン社会党の転換』を、明治大学の川嶋周一さんが書評して下さってます。
東京財団 政治外交検証プロジェクト http://www.tkfd.or.jp/research/news.php?id=461
各章の内容を的確に紹介してくれており、緻密な内容紹介をしてもらいました。有難うございます。
方法論に関してはともかく、「「転回」の射程の論証と転回の要因分析はどこまで調和的なのか」、という、実に鋭いポイントを提起して下さってもいます。デフォルトで「転回」を語ってしまっている、という指摘なのだと思います。「フランス政治研究は(略)現地の研究文脈と日本のそれとの乖離のためになかなか日本人読者にとってリーダブルな本格的な研究成果が生まれにくい」という点とも係わるのでしょうが、実際、著述する段階でどこまで射程を広げるのか、またミッテランという政治家、社会党という組織、欧州統合と国際経済という環境的要因、それ自体かなり隔たりのある三位一体をいかに結ぶのか、最も思案したところだったことは事実で、その点を見透かされてしまいました。
ミッテラン論は、私のライフワークでもあるので、この本と整合性のとれるミッテラン論を、いつの日か書きあげたい、と願っているところです。
ミッテラン社会党の転換―社会主義から欧州統合へ (サピエンティア) (2008/11) 吉田 徹 商品詳細を見る |