ヨーロッパにおける「悪」の問題。

トニー・ジャットの『ヨーロッパ戦後史』という名著の下巻が7月にみすず書房から発刊されます。
英語版を読み進め、その後に仏語版を読み進め、邦訳が出てからは日本語で読み進め、要約読破できそうです(何たって原著は800頁もあります)。

ヨーロッパ戦後史 (上) 1945-1971ヨーロッパ戦後史 (上) 1945-1971
(2008/03/21)
トニー・ジャット

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何語訳であっても、そのバランスのとれた記述と目配り、これらを配置して大きなうねりを描いている点には、純粋に読む楽しさを与えてくれる歴史本は、そうはないように思います。

ジャットは、もともと戦後フランスの精神史・政治史が専門ですから、以前から読んでいましたが、ここまでの大著を仕上げるとは思ってもいませんでした。

その彼が、昨年のハンナ・アーレント賞を受賞しました。
詳細は、みすず書房のニュースで触れられています。
http://www.msz.co.jp/news/topics/200804.html

このハンナ・アーレント賞受賞記念演説の大分部が掲載された「ル・モンド・ディプロマティーク」に掲載され、その論考を翻訳しました。
http://www.diplo.jp/
これを読むと、『ヨーロッパ戦後史』を書き進める際のジャットの「目線」のようなものが、理解できるような気がします。
(原文はこちらhttp://www.nybooks.com/articles/21031