Synodosにてセミナー、
社会学者・芹沢一也さんが主宰されている「シノドス」で、セミナーを行います。
題して「ニッポンの民主主義」です。
「カフェ」の雰囲気とのこと、美味しいコーヒーと美味しいお話が出れば何よりです。
http://kazuyaserizawa.com/synodos/seminar/index.html
90年代の政治改革は、戦後の「一党支配」からの脱却を目指しただけでなく、「政権交代のある民主主義」を目指した「政治工学(constitutuional engineering)」の日本における誕生を意味していた。もっとも英米デモクラシーを基準としたこれらの一連の改革は、かつて丸山眞男が指摘したように「抽象的命題の拡大主義」に基づく、およそ(日本における)デモクラシーとは何であり、どのようなものであるべきか、という規範的な問題意識を捨象した改革の過程だった。
実際、70年代以降、アングロサクソンでのデモクラシーとは異なる形式のデモクラシーが”発見”されるにつれ、デモクラシーをめぐる議論は深まりをみせることになり、また一方ではグローバル/国家横断的なデモクラシーのあり方が検討される中で、「モデル」としての二大政党制はその弊害だけでなく、歴史的に生成されたものであるという論点も省みられることがなかった。
このセミナーでは、戦後知識人の中における、とりわけ実践的政治知とでもいえるものとして、どのようなデモクラシー観が提示され、そして90年代の”断絶”の中で、どのような前提をもとに(マニフェスト選挙!)にして政治学者が改革にコミットしていったのかを精査することとする。それと同時に、最近のデモクラシーをめぐる議論を参照しつつ、U.ベックが指摘するような「後期近代」における新たな民主主義のあり方が存在するのかどうか(もしくは「ポスト・デモクラシー」期におけるその不可能性)、確認をしていきたいと思う。
こうした一連の作業は、ネオリベが全面化する時代でどのような利益集合が可能なのか、という実践的問題につらなるだけでなく、「私たちのデモクラシーとは何か」という、とりもなおさず、極めて想像力にまつわる問題を提起することになるはずである。
「白い恋人」を買って行こうと思っています。