謹賀新年。
「世の中のあらゆる事物が二重性をそなえているように、帝国主義とすべての反動派も二重性をそなえており、かれらは本物の虎でもあれば、張子の虎でもある」 毛沢東(1946年)
新年明けましておめでとうございます。
旧年は大変お世話になりました。
試行錯誤を重ねつつ、大学で教育と研究、社会的な発言を行って参りましたが、その過程で多くの先輩や同僚や学生、友人等々に支えられ、何とか2009年を乗り切ることができました。改めて、自分の存在そのものが、自分を取り巻く環境から構成されているということを感じ入った1年でした。
またそうした中で、実際に様々な活動をされている方々との知己を得ることのできたのも大きな財産となりました。有難うございました。
2009年はまた新書『二大政党制批判論』(光文社新書)を公刊し、これについて諸々な形で多くのご支援やご批判を頂戴しました。日本の、そして先進国のデモクラシーをめぐる問題については、2010年も引き続き、探求し、問題提起し、活字として著して行く所存です。
新たなDecadeが始まります。
1909年の12月、アイルランドの作家ジェームズ・ジョイスは、妻ノラに向けてこんな言葉を書きました。
「僕は貧しくて衝動的で罪深くて寛容で嫉妬深くて不満だらけみたいな詩人だが、でも実のない悪人ではないのだ」
いつの時代もそうであるように、また大きな混乱や挫折があるからこそ、希望が見出されることになるのだと思います。そのような、各所での足掻きや悶えが物事を進めていきます。
「希望を抱きしめて」2010年を、そして節目となる新たなDecadeを乗り切っていきたいと思っています。孔子がいうように、蝋燭は持つ者だけしかを照らさないのですから。
どうぞ本年も宜しく御願いを致します。
2010年 元旦 吉田 徹