誕生日おめでとう。

欧州政治の学術ジャーナル、West European Politicsが2008年(第31号)で30周年を迎えた。
GoetzとMair、G.Smithによる巻頭記念論文では、この雑誌が目指したのは「もっとコンヴェンショナルでケース志向的な大国と小国をカバーできる比較政治」だったとされている。比較政治学者必読の書Comparative Politics:Story of Profession(1997)では、Smithの章が熱くこの雑誌にかける思いを書き綴っている。

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院生時代に、駒場の国際社会科学図書室でずらりと並ぶジャーナルの中で、いの一番に配架を待ち望んでいたのがこの雑誌であり(その後図書室でアルバイトするようになってこの特権を独り占めできるようになった)、論文のファイルの中でもっとも分厚いのもこの雑誌であるように思う。
類似のジャーナルと比べて、この雑誌の持つどこかフレンドリーかつコレジアルな趣きや緩さみたいなものが、自分にはよく馴染んだ。考えてみれば、自分と雑誌は近い年齢である。

巻頭論文にあるように、過去30年に方法論の洗練(?)やアカデミズムを取り巻く環境が変化したのはもちろんのこと、社会経済構造の変化(Crouch論文)、冷戦の終焉(Morlino論文)、領域性や福祉国家の再編成、欧州統合の深化(Hooghe&Marks論文)をこの雑誌は目撃し、証言し、分析してきた。

「欧州政治の将来はもしかしたらより深刻で、不可知で、時にトラウマティックなものであるかもしれない」。
だとしても、いな、だからこそ、この雑誌をひとつのレファレンスとして、将来の欧州政治を見据えたいと思ったのでした。

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