Subscribed unsubscribe Subscribe Subscribe

Demadez plus a la Politique!

chirac

取り急ぎ2007年のフランス大統領選の速報のみ掲載します(細かい数字は変わる可能性があります)。詳細な分析はそのうち、ということで。

・結果(内務省):
ニコラ・サルコジ 53.35% VS セゴレーヌ・ロワイヤル 46.65%

・分析:
サルコジ票のうち、バイルー支持者が40%、FN支持者が66%
ロワイヤル票のうち、バイルー支持者が40%、FN支持者が15%
つまり、今後のキャスチングボートは中道が握る(党首バイルーは5月10日に新政党MD(民主運動)を発足して方針を明確にする予定)左派陣営の合計得票率は歴史的に低かったため、今回の結果はある程度予測可能だった。オランド第1書記は「具体的な提案に欠けた」と反省の弁。
第1回投票の左派候補の合計得票率はわずか36%だったため、この水準から50%超の得票率を得るのは至難の業。
サルコジの高得票率地域はFN票田の南東部に加え、北西部から北東部近辺。逆にロワイヤルは中西部から南西部で第1位となった。
なお得票率53%は、過去の左右候補対立の選挙結果としては高いスコア。IHTは「サルコジの決定的勝利」と一面で報道。

サルコジ(勝利宣言):
「子供の頃から偉大かつ伝統あるフランスに属する栄誉に預かってきた。今や恩返しをする時が来た(略)フランス人は過去の思考と習慣を訣別する決断を下した。 権威、モラル、尊敬と能力によってネーションを建て直し、フランスの自信を取り戻す (略)全ての国民が居場所をみつけられる国を作る」

・ロワイヤル(敗北宣言):
「普通選挙の診断が下った(略)しかし止まらない何かが起こった(略)私は民主主義と左派の運動の革新を起こすことができた」
社会党は、95、02、07年と三度目の敗北、それも低得票率。05年の欧州憲法条約の国民投票否決も考慮に入れれば影響は深刻。今後は党内のリーダーシップ争いが深刻化する可能性あり。

・第一回投票のトレンド(確認)
高い投票率、FN票の減退、中道バイルーの高得票率
サルコジ:31.1%
ロワイヤル:25.7%
左右候補で57%というのは74年の大統領選以来で、これは非常に強い凝集性が機能した証拠。これは2002の極右の決選投票進出の影響と予測できる。

投票率
4月6日17:00時点で75.11%(仏本国集計)、これは02年の67.6%を大幅に上回ったばかりか、高投票率を記録した74年の74.12%を上回り、1965年の初の直接選挙戦以来の記録となる見通し。投票率、TV視聴率、有権者登録増など、強い政治的動員があったことは今回の選挙を考える上で重要。

・組閣
新大統領の正式就任は5/16日、下院選までの第1次内閣を組閣する。
首相候補の下馬評は、サルコジの右腕であるF.フィヨン旧教育相、対抗馬としてはボルロー雇用相。UDFからの閣僚を迎えるかどうかも注目。

・下院選挙
第1回投票が6/10、第2回投票が6/17。中道MD(民主運動、旧UDF)議席
とFN票の行方が焦点となるか。予想としては、サルコジに対する拒否反応の広さを考えれば、与党UMPは思うよりも伸び悩むのではないか。世論調査によれば得票率はUMP34%、社会党29%、中道15%、FN7%、何れにしても中道勢力との連携が鍵となる。しかし中道票もサルコジ、ロワイヤルに対する拒否反応の結果と考えれば中道は再び低調となる可能性も大きい。

・見通し
課題は、格差の緩和、若年雇用(社会的包摂)、治安維持。これからは本人の当選後の演説で繰り返し強調されたように「統合」と「開放」を図っていくかが支持率維持のために不可欠になる。従って喧伝されるような新自由主義的改革が導入されることはない。首相候補フィヨンは、ゴーリスト左派であることに留意する必要がある。それでも新内閣は前政権以上に政策実施のスピードを高めるだろう。
第五共和制の制度的改変の見通しはない。
外交では、若干の大西洋主義への傾斜をみせつつも、大きな変化はないだろう。勝利演説での途上国・地中海諸国との協力関係も注目要因。
欧州憲法条約は、サルコジ国民投票を否定、条約ベース(”ミニ条約”)での締結を公約。トルコ加盟には反対の姿勢、欧州の先行統合の推進を提唱。

・寸評
1.第1回・決選投票を通じて見られた高い投票率は、フランス人の「民主主義に対する不安」とでもいうべきものを表しているように思える。同様に、サルコジ、ロワイヤル双方に対する嫌悪感があったことを考えれば(またこれが中道支持となった)、難しい決断だっただろうと思われるが、「没落」と「退廃」への恐怖感が両者支持につながった。最終的に「強い男」を演じてFN票を拾得することに成功したサルコジ勝利となった。
2.「政策なき政治」の時代で、両候補ともに「空中戦」と「アイデンティティー」問題 に手を突っ込んで支持を調達しようとしているのは、先進国共通の現象か。
3.50年代生まれで、ドゴール主義の周辺にいたサルコジが、どのように共和国を革新し、何を残そうとするのかに注目。

Remove all ads