ドイツ総選挙。

賭けに出たシュレーダーは勝利した、といえるのだろうか。

それにしても、シュレーダーの夏を挟んでの追い上げは凄いものがあった。ちらっとみた党首討論会でも極めてダイナミックにみえた。
欧州ではすでに「ポピュリスト」とのレッテルが確定したシュレーダーの面目躍如だろう(そういえば、ノーベル平和賞に推薦されたらしい)。

現地時間18:00時点での出口調査の結果、得票率はこうなった(暫定)。

CDU/CSU− 36.6%(223議席
SPD − 33.2%(210議席
FDP − 10.5% (64議席
緑の党 − 8.1%(51議席
Linkspartei − 8.1% (50議席

つまり、CDU/CSUも、SPDも、単独過半数を得ることができなかった、ということだ。議席数が拮抗してついに1966年以来のSPD-CDUの大連立(黒-赤連立政権)が視野に入った。

個人的に注目したいのは、PDS・WASG連合(=Linkspartei)が8%と支持率に比べてやや伸び悩んだ点だ。シュレーダーメルケルの宰相の座をめぐる争いに決着がつかずに連立交渉がもし頓挫すれば、緑の党やFDP含めてキャスチング・ボートを握ることになる。方程式は限りなく複雑だ。
もっとも現時点では、メルケルCDU党首もLinksparteiとの交渉はないとし、ラフォンテーヌWASG党首はSPDとの連立を否定しているので、大連立の蓋然性が高まっている。
本番はこれからだ。

SPDが中道に寄ったことでCDUの政策との明確な差異がみられなくなったとの専門家の指摘があった(「改革か、もっと改革か、の違い」)。

選挙結果は異なったものの、政策の中道化、党首の強引なリーダーシップと議会解散、浮動票の多さ、自由主義改革への傾斜、労働市場の不安定化と景気回復の踊り場にある、といった諸々の共通項が日本とみられた。最大の違いが外交(トルコ加盟の是非)というのも、そしてまた、共通している。

議院内閣制におけるこうした政治的構図は何を意味しているのだろうか。

<昨日は中秋の名月

Lunatic?