レビューとか。

微熱−愛と革命の日々(Gymnaslasrer Pederesen)

微熱 愛と革命の日々(2008/01/18)クリストッフェル・ヨーナル、アーネ・ダール・トルプ 他商品詳細を見るフェリーニの「女の都」を思わせるオープニングから、秀逸な演出と映像で1960−70年代のノルウェーの「革命時代」を描く。いけてない内向的な男性闘士と…

こわれゆく世界の中で。

こわれゆく世界の中でジュード・ロウ.ジュリエット・ビノシュ.ロビン・ライト・ペン.マーティン・フリーマン.レイ・ウィンストン.ヴェラ・ファーミガ.ラフィ・ガヴロン.ポピー・ロジャース.ジュリエット・スティーヴンソン (2007/09/19)ウォルトディズニース…

誰にとっての悪夢?

例によって映画館でみようと思ってみはぐってしまっていた「ダーウィンの悪夢」がDVDでレンタルされていたので借りてきた。 http://www.darwin-movie.jp/ ダーウィンの悪夢 デラックス版フーベルト・ザウパー (2007/07/06)ジェネオン エンタテインメント …

ベルナルド・ベルトリッチ監督『1900年』(伊=西独、1976年)

北大の高等法政教育研究センターのニュースレターからの転載。 http://www.juris.hokudai.ac.jp/~academia/newsletter/index.html イタリア人画家、ジュゼッペ・ペリッツァによる有名な「第四身分(il Quarto Stato)」のフェードインから始まるこの映画は、…

Demadez plus a la Politique!

取り急ぎ2007年のフランス大統領選の速報のみ掲載します(細かい数字は変わる可能性があります)。詳細な分析はそのうち、ということで。・結果(内務省): ニコラ・サルコジ 53.35% VS セゴレーヌ・ロワイヤル 46.65%・分析: サルコジ票のうち、バイル…

「ワインと外交」

ワインと外交西川 恵 (2007/02/16)新潮社 この商品の詳細を見る以前書いたレビューですこぶる好評だった『エリゼ宮の食卓』を著した西川恵氏の新著『ワインと外交』(新潮新書)が出た(横手さんえらい!)。今回はコンパクトな新書であるし、二作目であるし…

可哀相なジェームズ。

↑このドレスはロベルト・カヴァリ。忙しくとも、007シリーズとA・パチーノの映画は何故か欠かさず見ている。ということで、遅ればせながら前評判の高かった「カジノ・ロワイヤル」を見てきた。D・クレイグは恐らく今までの中で最も良質な俳優であることは確…

「まぼろし(Sous Le Sable)」

女性は引きずらない、といったのは誰だ。それにしてもオゾンは舌を巻くほど手数の多い監督だ。 ドラマティックな悲劇を、さらっとした日常の中に埋め込んで、喪失の痛ましさを浮き彫りにしていく。電話の着信音、フローリングの軋み、パスタのゆで方、タバコ…

「クラッシュ」。

9.11と人種問題。この二つはあの事件以来、アメリカを呪っている(haunted)ように思える。「文明の衝突」は国内へと切り込んでいった。「クラッシュ」は、その呪いを露払いしようとする作品だった。 だからこそアカデミー賞をとることができたのだろう。こ…

<われわれ>の時代へ。

言葉を紡ぐためには、どうしても「語り口」のようなものが必要になる。ボクは感覚的にも、あるいは文章の技術においても、この「語り口」のようなものが苦手だ。単に文章が下手という話もあるのだが(その昔朝日の早野透に、君は文章がへたくそだな、と言わ…

知を総合するとは?

東北大学で、新たに「融合型」の大学院コースを設置するという。 そのうたい文句はこうである。既存の学術領域の融合により形成された新融合分野の研究から世界に向けて発信される研究成果を基盤に活動を展開しようとするものです。ここでは、複眼的視野で多…

D.ノゲーズ「人生を完全にだめにする11のレッスン」

本たちと長く付き合っていると、どうしてもアフォリズムに引かれる。 生きる上での真髄が、短い警句として、文脈に寄り添いつつも普遍的に提示される。そこには<芸=アート>がある。 例えば、アドルノの晦渋な「啓蒙の弁証法」よりは、同じ問題に取り組み…

ロゼッタ。

「私はきちんと仕事しているのになぜクビにされるの!」 「試用期間が終わったからだ。それ以下でもそれ以上でもない」 トレーラーハウスに暮らす彼女は、それでも人間としての尊厳ある生活を続けるためのプライドを保とうとする。彼女は単に生存しようとす…

Je t'aime moi non plus.

最近ぎゃお、ぎゃお、と煩いので、どんなものかとアクセスしてみた。 意に反して、中々の名作が映画コーナーに並んでいて、勢いで大好きなギャバン(宇宙刑事でも胡椒でもないですぞ)の映画を通しでみてしまった。 「大いなる幻想(la grande illusion)」…

シャン・ド・マルスの散歩者。

http://www.lepromeneurduchampdemars.com/noflash.htm2004年末に公開されたミッテラン大統領を主人公とした映画。 「ミッテラン映画の製作中!」との報を昨年フランスで仕入れ、これを観にパリに行こうかと本気で思ったほど、待ち遠しかった(結局かなわな…

"Sweet Neo Con"

Rolling Stones,"Sweet Neo Con"(from The Bigger Ban)You call yourself a Christian I think that you're a hypocrite You say you are a patriot I think that you're a crock of shitAnd listen now, the gasoline I drink it every day But it's gettin…

マイケル・マンの映画。

最近、整理していたVTRから素粒子ざらざらの、90年にTVXで放映していた「マイアミ・バイス」の録画が沢山出てきた。懐かしいな、と思ってつらつら観ていて、「やはりこれはマイケル・マンの作品だな」、と感じた。例えば、The Death and the Ladyというエピソ…